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【Just戦略&教育】戦略的に企業力を身につけるには/能力マップの活用

ヒンドゥー教の神の一柱「ガネーシャ」万能の神とも言われる
ヒンドゥー教の神の一柱「ガネーシャ」万能の神とも言われる

企業が発展していくためにはそこで働く人材の能力アップは欠かせません。
では最も効率よく発展するためには、どのように人材の能力アップをすればよいのでしょうか?
結論としては「社員(誰)の」「ある(どの)」能力を「いついつまでに」上げればよいかを計画し、1人前の人材を一人でも多く増やしていくことに限ります。
つまり人の教育もトヨタではジャストインタイムに行うことが重要となってきます。
ムダを省くための改善の第一歩が「ムダがどれだけあるのか見えるようにする」ことから始まるように、人を効率良く育てるためには「どの能力がどれだけ欠けているのか」見えるようにすることから始めなければなりません。
ここではトヨタ式の人材育成の基本【Just教育】について、前編後編に分け解説していきます。

必要な能力とは

客船ノルウェージャンブリス:船長一人では操船できません

仕事に必要な能力はたくさんあり、それを全て備えることは不可能に近いでしょう。
トヨタ的には全ての能力が備わっている人のことを「万能工」と呼びます。
また全てではないにしても、複数の能力が備わっていると「多能工」、一つのことができる場合「単能工」と呼びます。
一般的には会社規模が大きくなり、人数が多くなればなるほど万能工は必要なくなる傾向にあります。
また入社当初は一つのことを学び、まず単能工を目指すのも普通のことです。
万能工とはまるで神様のように聞こえますが、逆に万物に注意を払わなければならず、注意が散漫になってよくありません
会社の規模に応じて事業(業務)を分割し、せいぜい事業ごとの多能工をエキスパートとして目指させるようにしないと必ず問題が発生します。
つまり農業法人において社長とは、決して全てのことができなければならないわけではなく、生産や販売といった事業や経理や人事といった業務のそれぞれの部門の長であるエキスパートを管理監督すればよいのです。
農業法人において社長は万能工っぽくもあるのですが、それでも経理や法務などは外注の会計士、税理士や社労士、弁護士に任せている方がほとんどでしょう。

いずれにしろ社長や従業員といった立場は違えど、必要な能力とは自身の職務においてその職責を果たせるかどうかです。
つまり社長とは会社を発展に導く職務であり、赤字となっては責任を取る立場です。
生産部の部長であれば、生産に関する職務と職責があり、販売や経理なども同様です。
客船にでも例えるのがわかりやすいでしょうか。
船長や機関士、航海士、通信士、甲板士、衛生士・・・それぞれその職務をこなすための能力があるからこそ職務が遂行でき、また職責を果たすとは各人が職務を遂行した結果、航海が予定通りに目的港に到着することです。
農業法人を客船に見立てるなら社長は船長なので、目的港に向けて予定通りに航海ができるように、従業員の部門長を中心に様々なかじ取りや号令をしていることでしょう。
長くなりましたが、必要な能力とは『任された仕事が、納期通りにできること・教えられること』のことです。

能力の階段を駆け上がって1人前になる

徐々にステップアップし、能力を段階的に身に着け、エキスパートになろう

新人に任せる仕事、ベテランに任せる仕事、生産部に任せる仕事、販売部に任せる仕事、それぞれ共通のものもあれば、個々にバラバラのものがあるのが普通です。
たとえば生産部の新人の場合、その会社で働くための基本的なルールを習得し、生産部1年生として農作物生産の基本的なことから仕事をスタートすることでしょう。
初年度からいきなり田植え機に乗って田植えをしたり、コンバインで収穫したりはしないはずですし、農作物を3つも4つも掛け持つということもないでしょう。
簡単なものから徐々にステップアップし、能力を段階的に身に着け、最終的には任されるようになって1人前のエキスパートになります。
その能力の階段をトヨタでは5つに分けています。

  1. やったことがない・できない
  2. 人についてもらって教えてもらえばできる
  3. 時間はかかるが一人でできる
  4. 時間内に(標準時間で)一人でできる
  5. 人に教えることができる

誰もが通る道であり、そのステップを飛ばすことができない道でもあります。
また最短で駆け上がるには「俺の背中を見て盗め」に代表される、上記2番飛ばしはやってはいけないことで、むしろ2番にしっかり手間ひまかける方が人は早く育ちます

不足する能力を補う

さて本題は「企業が最も効率よく発展するための人材能力アップの方法」ですので、小中学校のような義務教育のスタイルでは効率はよくありません
トヨタは人の教育にも「必要な教育を、必要な人へ、必要な時に、必要なだけ」行う、ジャストインタイムなしくみがあります。
ムダを省くための改善の第一歩が「ムダがどれだけあるのか見えるようにする」ことから始まるように、人を効率良く育てるためには「どの能力がどれだけ欠けているのか」見えるようにすることから始めなければなりません。
この、人の能力の可視化のためにトヨタでは図1)能力マップを使います。

図1)能力マップ

この図1は農家の能力マップの先頭部分のほんの一部分ですが、そのポイントは…
・トヨタ式5段階で能力を見える化している。
・そこで働く師匠から弟子まで全員が載っている。
・社会人として、農家の一員として、全ての仕事が載っている。
この3点から旅行で使う地図にみたて、未開の地(赤色)、慣れ親しんだ地(緑色)とし、行ってないところ=能力が不足している地がどこかわかるようになっています。
例えば20項目までが見えますが、No.8 システム,11 PC仕事,15 レベラーが使いこなせるのは社長ただ一人なので、もし社長が病欠などすると、その仕事が滞ることがわかります。
また細かいことですが、経営理念や会社方針は新人でもレベル3青色までになっているべきでしょう。

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