- 年間休日数は農業=80日、全産業平均=108.9日、その差約1か月間!
- トヨタ式では仕事の時間は3つに分類される
- ムダは必ずあるもの、ムダがあることは問題ではない
- 真の問題はムダが見えるようになっていないこと
年間休日数は農業=80日、全産業平均=108.9日、その差約1か月間!
この表は厚生労働省「平成31年就労条件総合調査」の年間休日数を現しているが、全産業平均で108.9日ということがわかる。
ここで言う全産業とは総務省の定めた 日本標準産業分類 のなかの16大産業のことで、農業は含まれていない。
平たく言うと農業以外の全産業平均の年間休日数は109日、労働日数ならば365日から引き算して256日/年働くのが一般的ということになる。
一方この表は農林水産省「平成21年営農類型別の農業所得等について」だが、主業が農業かつ水田作の場合、1年間の労働時間は2,538時間ということがわかる。
ここから「年間労働時間2,538時間」÷「1日の労働時間を9時間」とした場合、年間の農業水田作労働日数は282日と導き出すことができる。
平たく言うと稲作専業農家の労働日数は282日なので、年間休日数は 365日から引き算して 83日 /年休むのが一般的ということになる。
つまり全産業平均の年間休日数は109日 、農業(稲作)では83日ならば、その差は26日間となり、年間での休日数は約1か月ほど農業の方が短いということになる。
この単純比較で農業がブラックだとか3K(きつい、汚い、危険)労働だとかを言うつもりはさらさらないが、間違いなく言えることは「農業現場には働き方改革が必要だ」ということだ。
そしてその働き方を改革するのは「トヨタ式の改善」により、ムダをできるだけ省いて本当の仕事時間として効率化させ、残業を減らし、最終的には休みを増やしていくことが大切である。
トヨタ式では仕事の時間は3つに分類される
この円グラフは現状の能力「作業という仕事」をトヨタ式ではこのように3つに分けて考えています。
・正味作業=本来の仕事(付加価値を高めている)
・付随作業=付加価値はないが必要な仕事(一見仕事に見える)
・ムダな作業=仕事ではない(探す、移動、やりなおし等)
この3つを「働き」と「動き」で分類すると、もちろん
・「働き」= 正味作業
・「動き」= 付随作業、ムダな作業
となり、「動き」に「人偏」が付くだけだが大きな違いである。
円グラフの右横にも記載があるが、トヨタのような工業製品の組み立て工程としては、付加価値を高める作業としては
①部品AとBをとる
②A&Bを留めるねじをとる
③ねじを締める工具をとる
④A&Bを工具を使ってねじ留めする
⑤完成品を次の工程へ運ぶ
①~⑤の作業(仕事)の中では④しか付加価値は高まっておらず、①②③⑤は必要悪と言ってもよい。
①②③⑤の作業は直近ではやめるわけにはいかないが、出来るだけ短い時間でラクに行う必要があり、④の時間と合わせて相対的に作業(仕事)の時間を短く改善していくことが大切なことである。
つまり正味作業時間以外の時間はただ単に原価を高めるだけであり、いくら時間がたくさんかかったからといって、そのムダな時間を価格に転嫁することはこの市場主義の世の中ではできないことである。
簡単な例えで言うと「3分間で出来上がるカップラーメンは、3分で完成することに価値」があり、それが4分、5分かかるからといって価格に上乗せすることはできないのと同じ道理であるし、むしろ3分ではなく2分、1分でできるならば、あるいは熱湯ではなく水でも3分でできるならば価格を上げても売れるかもしれない。
ムダは必ずあるもの、ムダがあることは問題ではない
ただ間違えてはいけないのは「ムダは必ずあるもので、ムダがあることは問題ではない」ということだ。
さきほどは「工具を使ってネジ留めする」のが唯一の付加価値を高める作業で、それ以外は必要悪かムダと説明したが、必要悪とムダは必ずどんな現場にも、工業であろうと農業であろうと必ずあるものだ。
「ウチにはムダなことなんて一切ない!」なんて思っていることが大問題なのだ。
トヨタではムダを3つに大別していて、
・漢字のムダ=無駄
・ひらがなのムダ=むだ
・カタカナのムダ=ムダ
漢字のムダは、ひらがな、カタカナを含む全部のムダの大元です
そのうちひらがなのムダは、付随作業のように一見仕事に見えてしまうが
しくみを変えれば取り除けるムダをさします。
カタカナのムダは、一見してムダとわかる、絶対取り除くべきムダのことです
ですからカタカナのムダから見つけて排除していきましょう。
しかしもう一度言います。
ムダは必ずあるもの、ムダがあることは問題ではありません。
ムダがどこに、どれだけ、あるのか?、ないのか?
が、わからないこと、いや意識しないこと、放置していること、変わろうとしない気持ちが” 今時点の本当の問題 ” なのです。
ムダをムダと気づかない、または
ムダと気づいていても変えようとしない人、それが問題児です。
こういう人は変化を嫌がります。
世間が変わったと嘆きます。
昔は良かったといいます。
ここでは昔からこの方法でやっていると言います。
もちろんこういう人は、
トヨタ式の話を聞いても「それはトヨタだからできるんでしょう」「トヨタさんは大企業だからできるんでしょ」と言ってくる方が多いですね。
真の問題はムダが見えるようになっていないこと
この図のように、工業や農業に関わらず、全ての仕事=作業=原価には必ずムダがまとわりついている。
農業において「肥料をまく」という仕事、作業があったときに、圃場に肥料をまいている瞬間は立派な仕事、圃場に生えている作物に対して付加価値を高めている作業、つまり「働き」といえよう。
がしかし、酷なようだがトヨタ式では「それ以外の時間」は付随作業であろうと単なる「動き」でしかない。
だからこの仕事、作業、動作は「働き」なのか「動き」なのかの「人偏」が付く・付かないという「物差し」がなければ「問題は見えず」そして「改善」はできません。
この「人偏」がついているかどうかを判断する「物差し」は、トヨタ式ではいくつか定められています。
たとえば標準時間という物差しを設ければ、その作業が標準より長かったのか、短かったのかがわかる。
先ほどのカップラーメンの例ならば、3分が標準で、4分では長すぎて麺は伸びているであろうし、2分と短ければ麺は固すぎて食べ頃ではないだろう。
このように1分長い短いというのは日常茶飯事であるが、3分のような標準が農業の世界ではこと欠けているように感じます。
それを勘やコツ、匠の技と言えばかっこいいかもしれないが、それは物差しではない。
それではムダを見つけることは難しいし、見つけられなければそのムダを省くこともできない。
さぁ勘やコツ、匠の技の世界から脱して、トヨタ式の物差しをまず導入し、働き方の改革を始めませんか?
トヨタ式の改善をすすめることにより、残業が少しでも減り、それが積み重なって1日ずつ多く休みがとれるようになれるはずです。
農業求人サイトの大手「あぐりナビ」の検索条件の一つに福利厚生面の中で「年休80日以上」という項目があります。
このことからもわかるように「農業界年休80日の壁」というのは、求人サイトの検索条件になるほど一般的なことになっており、担い手不足の一要因にもなっていることと思います。
わたくしこと山謙@トヨタ式農家改善.proと一緒にトヨタ式の改善を始めませんか?
休日が1日でも多くなれば、自身もラクになるのは当たり前ですが、担い手不足問題の解決の一助にもなるかもしれません。
もちろんこの担い手不足問題は、休日の少なさだけではなく、もっと複合的な要因がいくつも重なって起きていることと思います。
たとえば給与などの金額面の問題も大きいと思います。
大きくはこの「お金」と「福利厚生」の二つが要因でしょうが、大切なことは作業改善と同様に、何が真因か見つけて改善しない限り、いつまでたっても担い手問題は解決しません。
また人間誰しもが「お金」や「休み」の為だけに働いているわけではありませんので、金額面や福利厚生面を改善しても担い手不足問題が解決しないならば、もっと「仕事のやりがい」などの働き方改革が必要になるでしょう。
働き方改革といってもいろんな解決しなければいけない問題が、様々なところにたくさん隠れているので、仕事からムダを省いて改善していくのと同様に、働き方改革も同じようにまずは問題を見えるようにする必要があります。
さぁ悩んでいるくらいならば、まずは「コチラのリンク」からご相談ください。
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