──ムダは現場に溜まる、ムダ取りは現場でしかできない**
秋は一年で最も「現場が慌ただしくなる季節」だ。稲刈り・乾燥・調製・出荷が重なり、気づいたら毎日が「今日を乗り切るだけ」で終わってしまう──そんな声を全国で聞く。
しかし実は、この“忙しさの正体”の多くは、作業量ではなく ムダの積み重ね だ。わたしがXでも繰り返し発信してきたが、トヨタ式で最も重要なのは、生産量を増やすことよりも ムダに気づく“視る眼”を養うこと である。
農家の忙しさの8割は、
・探すムダ
・待つムダ
・運ぶムダ
・段取りのムダ
が原因だ。これはトヨタ自動車の工場でもまったく同じで、実際、わたしのコンサル現場でも「1日30〜60分の探し物」が常態化している農家は少なくない。

見える化の目的は“誰でも同じ判断ができるようにする”ことにある。
これが曖昧だと、作業スピードが個人に依存し、チーム全体の流れが乱れる。逆に表示・線・区画を徹底するだけで、農繁期の作業スピードは劇的に上がる。
トヨタで言えば「部品棚の位置が1cmズレるだけでも改善対象」。
農場でも「軍手が10秒で取れるか、60秒か」で年間数万円の差が出る。
(※わたしのXでもよく紹介している“ゼムクリップの探すムダ”はその典型)

秋は工程が複雑に絡み合うため、
つまり、 一年で最も「改善ネタ」が拾える季節 なのだ。
だからこそ、今やるべきは大掛かりな改革ではなく、
✔ムダを書き出す
✔改善アイデアを一つだけ決める
この3つだけで十分だ。
忙しい秋だからこそ“見える化の習慣化”を進めるチャンスであり、これが来年の労務費率にそのまま効いてくる。

秋の忙しさは「宿命」ではなく「改善不足の結果」である。
見える化でムダを見つけ、次の一手を打つ。
来年の農繁期を楽にするのは 今の30分の見える化 だ。
