前回2020年4/1の投稿で、経営基盤である個々のお客様が如何に農家にとって大事かをお話ししました。
当たり前ですが、買ってくれるお客様がいるからこそ農産物を作れるからです。
しかし日本の農業は他の産業に比べて若干いびつな構造になっていることもまた事実です。
それは極論、日本の農業が農産物を作ることに特化しすぎて、販売をJAなどに一括して卸してしまってるが故、個々のお客様との絆が希薄になったことです。
これでは実際に作った農産物を食べていただいているお客様個々人のことが全く分かりません。またその際お客様の代弁者になる卸業者の言いなりにならざるを得ません。
今回はあらためて農家の経営基盤について考えたいと思います。
農水省のいわゆる補助金関係に「農業経営基盤強化準備金」なるものがあります。
これは「経営所得安定対策等の交付金を活用して、計画的に農業経営の基盤強化(農用地、農業用の建物・機械等の取得)を図る取り組みを支援します。」とあります。
つまり農業の「経営基盤=農用地、農業用の建物・機械」としています。
また辞書では経営基盤を「一番基礎になっている事柄。土台。基礎。基本。「会社の-を固める」とあります。
どれも一般的には正解ですが、私が思う経営基盤とは、前回の投稿どおり「資金力」でもなく「人材」「農地」「設備」でもなく、あくまで買い支えていただいている一人ひとりのお客様のことです。
図1のように農家を買い支えるお客様にも種類があります。

直売所は個人のお客様、飲食店は経営者がお客様、卸業者、補助金=国・自治体と、大きくはこの4つに分類されます。
農家さん毎に「補助金と卸で半分ずつくらい」「卸、飲食店、補助金で1/3ずつ」など、それぞれ個性が違うことでしょう。
しかし「直売がメイン」とか「補助金目当ての作付け一切なし」というところは少ないでしょう。むしろ「卸(JAなど特定の業者)主体+補助金」が主体ではないでしょうか?
表1に「個人」「飲食店」「卸売業者」「国・自治体」別お客様のメリットデメリットをまとめました。


それぞれ一長一短がありますが、図2でその影響を考えてみましょう。
ある農家の総売り上げが400万円で、各々4分類のお客様で100万円ずつ均等に構成されているとします。
かなり乱暴ですが、この時最も影響のあるのは国や自治体の補助金100万円です。
これは国や自治体が「やめる」と言ったらそれまでだからです。
次は業者です。ご覧のとおり1社が倒産するなり、他社に取引を寝返られるなりすれば、それだけで50万円減収です。
影響度3位は必然的に4店で構成される飲食店で、1店取引がなくなると25万円減収。
最後は個人のお客様ですが、一人離脱すると金額的影響は4万円だけです。
前段で売上の影響度を国・自治体>企業>お店>個人としましたが、このコロナ禍でこのとおり実感されている方が多いのではないでしょうか。
過去にも天災や貿易摩擦、バブル崩壊、インフレ、デフレと様々な景況がありました。
これからも変化がないことはないどころか、むしろ激変していくことでしょう。
そしてこの変化に対応できなければ企業は恐竜のように絶滅するしかありません。
経営基盤とは建物の柱と同様、強ければ強いほど外的環境の“変化”に対して動じることがありません。
つまり4分類のお客様という経営基盤を、もっともっと太くする必要があるということです。
ではこの4つの柱のうち、どの柱を強くすべきでしょうか?
農家毎の強みを活かして、最も得意とする柱に注力するのもいいでしょうが、農家直売という正攻法も忘れないでほしい柱です。
元々農業は地域性が高く、その土地で支えられている産業です。
地産地消は最もロスがなく、安くて新鮮でおいしい食材を無駄なく提供消費ができます。
また今回のコロナ禍のように、内食(家庭消費)・中食(弁当等)・外食(飲食店)のうち、外食消費が極端に減少する状況下において、飲食店を柱に据えるのは危険です。
6次化という言葉ができてだいぶたちますが、いまこそ直売を始める時ではないでしょうか?まだ遅くはありません。
また既に直売所(3次)を持ち6次化しているならば、加工(2次)を強化して店頭ラインナップを拡充し魅力度アップ、差別化を図ることも重要です。さらに小売り(3次)の強化としてコロナ禍で飲食店がデリバリーに走ったように、リアル店舗での直売に加えネット店舗でのバーチャル販売も検討すべきでしょう。
つまり国や自治体といった超太い柱や卸業者のような太い柱も大切ですが、個人のお客様のような1本1本の柱は細くても、その細い柱が束となればなかなか折れることはありません。
繰り返しになりますが、まだまだ遅くはありません。直売を始めましょう。
私がお手伝いします。
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