
トヨタ式の人材育成の基本【Just教育】についての後編は、前編の能力マップで明らかになった不足する能力をどのように向上させていくかについてです。
例えば東大を目指して受験勉強する高校生が、全教科を漫勉なく勉強するでしょうか?
否、必ず不得意な教科に的を絞って勉強することょう。
そして忘れてならないのは、受験日までに習得しなければ合格点は取れません。
社会人になると学生のころ当たり前だったことが忘れられがちですが、社会人こそ学力以上に大切な実力をしっかり身につけなければ自身の給料UPや会社の業績UPにはつながらず、学生なら最悪は落第で済むかもしれませんが、社会人の場合は倒産に直結するリスクと言っても過言ではありません。
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受験生が志望校に合格するために、不得意科目を勉強するのは当たり前です。
そしてその得意不得意は様々なテストなどから判明し、不得意科目を受験日までに勉強できるように計画を立て実践するはずです。
あらためて前編の復習として、図1)能力マップ例ですが、お米と椎茸を主に生産、販売している農家を例にデフォルメしたものです。
赤が落第で、青は合格、緑は先生として教えられるということが一目でわかります。よって先生(緑)が、赤やピンクをまず黄色にするための教育が必要なことがわかります。
ひとたび黄色になれば、自学自習することが可能になります。
稲作において苗半作と言われるのと同じで、種もみから移植できるまでにするには大変な手間がかかります。しかし育苗がうまくいけば、後は田植えして稲の生命力でぐんぐん育っていくことでしょう。
人材育成も最初(赤、ピンク)は種と同じで大変手がかかりますが、とりあえず時間はかかっても一人でできる(黄)になれば、その後から個人の成長力に期待できます。
もちろん追肥や防除などの管理が必須なように、人材育成にも同様な援助がなければ大きな収穫は期待できません。
ちなみに図1でわかることは…
・社長が倒れると立ち行かなくなる
・社長が人材育成に熱心でないと、作物のようには人は育たない
・大項目「農機整備」が弱いことから修繕費が原価として重くなっている
・稲、麦をAさんに頼っている、同じくBさんCさんに販売、椎茸を頼っている

さてここから後編の本題「能力マップで明らかになった不足する能力をどのように向上させていくか」についてです。
個人で気ままに楽しむ旅行の場合は、短距離で宿泊もしないなら行き当たりばったりでもよいでしょう。
しかし全く正反対の場合はそうもいきません。つまり個人ではなくあなたが旅行会社として主催する場合、海外など長距離で数泊の団体旅行を行き当たりばったりはあり得ないでしょう。
やはり旅行先である目的地や経由地が示された『地図』や、旅行のしおりのような“どこで何時に食べる、休む、遊ぶ、泊まる”といった『計画』や『ガイド(案内役、通訳)』が必要です。

『地図』は能力マップのことですが、『計画』『ガイド』は図2)技能向上計画ボードに当たります。
「計画は3つ」あって、まず「今年の目標」が“1年後になりたい自分”という計画です。
つづいて1年後になりたい自分になるためには“直近3か月でならなければいけない自分”=「3か月の目標」が計画となります。
そして3つ目の計画が最も具体的なものですが“直近3か月で「何月何日」に「誰から」教わるか”を計画します。
そして大切なのは旅行や航海の地図である「能力マップ」から戦略的にどの能力を上げていくかを選択することです。
同じ農家の中で助け合って総合的に企業力を高めるためには、全員が同じ能力を身につける必要は必ずしもありません。まず分担してそれぞれの仕事の能力を高め、できるようになったら一人しかできない業務は二人目、三人目ができるようにリスクを減らしていきましょう。

農作物がたわわに実るためには大変な手間がかかります。
農作物の収量アップのためには手間を惜しまないのに、なぜ人材育成には手間をかけないのでしょうか?
人を育てるのも農作物同様に適期作業が必要です。
トヨタのジャストインタイムのように、必要な時に、必要なだけ、必要な教育がなければ人は育ちません。
いつ、どんな教育をしていいのかわからない場合は、ぜひトヨタ式の人材育成【Just教育】に取り組んでみてはいかがでしょうか?
「必要な教育」を「必要なだけ」は能力マップからわかります。同様に「必要な時」は技能向上計画ボードからわかります。
人材を育成して戦力を高めることが企業力そのものに直結するのですから。
農作物以上に収穫までに時間がかかる人材育成ですが、想像を超える収穫になるのは人材育成の最大の楽しみでもあります。
さぁ、一緒に取り組みませんか?