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絶対にやるべき“働き方改革”=後編=

環境づくりでは排除したい3K
環境づくりでは排除したい3K

働きやすい職場づくり

この後編では事業主のあなたが、働きやすい職場をどのように作るかを説明します。なぜ働きやすい職場ですって? もちろんそれは働き方改革とは”何より農業をこれからもずっと続けていく”ために必要なこと、でしたよね?
そうです、前編ではあなたがまず時間を作って働き方改革に取り組む必要性をわかっていただき、中編ではそのあなたがまずは何をしなければならないかをまとめました。締めの後編はあなたが理想とする農園の実現のための具体的第一歩をどうするかを説明しています。

最低限の環境整備

最低限の環境、それは人の生理現象に対応できること
最低限の環境、それは人の生理現象に対応できること

驚くべきことに、私が知っているいくつかの農業法人の事務所(≒詰所、兼農機具庫、etc)には”トイレ””洗面所(手洗いシンク)””更衣室”がないところがあります。そこで「人材不足に困っている」「若い担い手が採用できない」「パートでもいいのに集まらない」「女性スタッフの応募がない」と言われても当たり前ではないでしょうか。
農業が3Kつい・たない・けん)職場かわかりませんが、できるだけ排除したいものです。きついや危険に関してはどんな職業にも独特のものがあるでしょうから仕方ないにしても、特に汚いに関しては努力次第では大幅に排除できるはずです。
いずれにしろ農業に限らず、また正社員やパートなどの雇用形態に関わらず、最低限の環境整備はそこで働く人の生理現象に対応できることです。

<人の生理現象に対応できる最低限の労働環境の整備>
トイレ:もちろん男女別、大小別、水洗が望ましい
洗面所:作業で汚れる手などを清潔にするため
更衣室:季節や天候によって着衣が変わるため、個人ロッカーが望ましい
休憩所:温かい昼食などで英気を養うなど
救急箱:切創や打撲、頭痛、発熱など最低限の家庭用常備薬相当

上には上があるものですが、ホテルや病院のようにすることはないでしょうが、せめて家庭と同じレベルには整えたいものですね。
農家の職場はお客様の目がある小売りサービス業や飲食店、品質が求められる精密工業とは違うものの、人の口に入る食品を作っていることには間違いないので、できるだけ清潔な労働環境を人の為にも農産物の為にも整えましょう。

4Sと小集団改善活動

課題解決に向けた複数名のチームが小集団だ
課題解決に向けた複数名のチームが小集団だ

4Sは”整理・整頓・清掃・清潔”のことですが、前段の労働環境の整備に直結することです。いくら最低限の労働環境としてトイレや休憩所を作っても、それらを維持する活動、つまり4Sを続けて実施しないとすぐに環境は劣化します。
そこで4Sは最低限の労働環境を維持するために必要な活動であるとともに、農家の仕事をやりやすくするための改善にも必須の活動です。

これら4Sや改善といった活動は、頭では続けなきゃならないとわかっていても「忙しいから後回し」といってドンドン活動が廃れるものです。
これも家庭同様しっかりと行いたいものですね。
家庭では4Sができているのに職場ではできないというのはおかしなものです。
そこでトヨタ式のポイントとしては、4Sや改善といった必須なのについ敬遠しがちな仕事を個人ではなく複数人のグループで片付けていくことをおススメします。

これを小集団改善活動と名付けていますが、人数が少ないところでは2人でもかまいません。たとえば4Sも一人ではなく、2人で一緒にやる。2人で一緒にやるには2人のスケジュールの同期が必要になり、そこに仕事の遅れ進みを助け合う必要性も生まれてきます。また4Sそのものを一人でなく2人で一緒に片づける連帯感も生まれることでしょう。なお確実なのは”毎週水曜日は4Sの日”などと決めて業務に落とし込むとよりスムースです。最終的には清潔な環境が仕事のしやすさにもつながり、4Sは定着するようになるはずです。

情報共有とデータ化

人は言葉を発しなければ相手には伝わらない、伝えるだけでは忘れるので文字を残そう
人は言葉を発しなければ相手には伝わらない、伝えるだけでは忘れるので文字を残そう

働き方改革につながる”働きやすい職場づくり”としての情報共有とデータ化は何も難しいことではありません、むしろ当たり前に行うべきことです。
やるべき事は”コミュニケ―ションの見える化””報連相の見える化”計画と実績の見える化”など、経営者や従業員の頭の中に有って言葉でだけ伝達されていたものです。

<働き方改革につながる”働きやすい職場づくりとしての情報共有の項目
作付け計画(月毎年間を通して見えるようにする)
イベント(定期不定期にかかわらず、月毎年間を通して見えるようにする)
作業計画(月毎、週毎、日毎で見えるようにする)
上記計画やイベントの実績要データ化

よく農家ではこれら情報共有項目が社長の頭の中だけで、指示忘れや伝達ミスがよくおこるものです。
これらを表や図、地図といったみんなが見える大きさのもので、コミュニケーションしたいことを文字として現すだけで、格段に働きやすく生産性も向上します。
またこの際大切なことはデータ化です。
指示した作業や計画の実績をデータで残すことです。
よく言う”記憶”から”記録”というやつで、作業者日報などはオーソドックスなデータ化ですね。ただしデータ化で更に大切なことは、記録するのが目的ではなく、その記録を活かして次の仕事や作付けをより良いものにするためです。
なおデータと言ってるくらいなので、日記を記録するようなことではなく、客観的に”何分かかった””何キロ使った””何反作業した”などの具体的な数値と単位が必要なのは言うまでもありません。

またその他働き方改革に関わるデータとして重要なのは、勤怠の記録です。
何日働いた、何日休んだ、何時間残業した、何日有給休暇を取得した、といった当たり前の勤怠状況を見えるようにして、昨年より今年、さらに来年にこの勤怠状況がよくなるようしなければなりません。
当たり前すぎてやっていない農家さんが多い印象です。
また中編でも説明しましたが、あなたの農家としての経営理念、事業目的、会社方針、目標(反収や収穫総量、売上げ、客数…)とその実績も、本来当たり前のように見えていなければならないものが見えていないことが農業界では多そうです。これでは従業員のベクトルが合わず、農業法人としてなかなか大きく成長することは難しいかもしれません。

作業の平準化、マニュアル化

”山””谷”を均すことが平準化、マニュアル化は誰でもできるようにする第一歩
”山””谷”を均すことが平準化、マニュアル化は誰でもできるようにする第一歩

改革と言えるほど働き方を変えるならぜひ取り組みたいのが平準化です。
工業の世界ではいまや当たり前の考え方の一つが平準化生産で、対する言葉はロット生産です。もちろんトヨタ式は平準化生産の部類です。
例えば平準化生産なら、ある製品A、B、Cの3種類を造っている場合、それぞれ30個ならAを生産→Bを生産→Cを生産と順番に30回造ることを繰り返します。
一方ロット生産の場合はAを生産30個生産→Bを30個生産→Cを30個生産となります。
量産するならロット生産の方が簡単なのですが、万が一の需要変動には対応できないので危険な生産方法でもあります。
平準化生産は多少面倒ではあるものの、Aの需要が仮に”0”になっても、BとCへ切り替え、Aを生産しないようにするだけで済み、ロットの場合は既に売れないAを作り切ってしまっているので不良在庫になるだけです。

農業の場合は基本1年一毛作なので、どちらかというとロット生産に当たります。ですから集中する播種や育苗、定植、収穫といった作業がいわゆる農繁期となり、裏作で何もしなければまさに農閑期となります。
この農繁期が仕事のピーク”山”となり、農閑期が仕事のオフピーク”谷”となってしまうものを、できるだけ山がそびえて谷が深くならないよう均(なら)すことが平準化です。
同じ距離を歩行するにしても、山谷があるとしんどいですが、均して平なら楽に歩くことができるのと同じです。

まだあなたの農家で山がそびえて谷が深いなら、平準化を意識して作付けを変更したりばらしたりすることが必要で、それが働き方改革に直結します。
同じ農作物でも時期をずらす早生中生晩生に品種をわける、品種によっては播種から始めず苗を定植するなどの工夫や、ピークの作付けを減らしてオフピーク時に新たな品種を作付けするなど抜本的な工夫も必要かもしれません。

一方で平準化とともに取り組みたいのがマニュアル化、すなわち標準化です。
農家さんでは作るものによってピークオフピークが発生してしまいますが、もっと目線を絞っていくとそれぞれの作物でも作業する人によって作業時間やその内容にはばらつきが生じており、それがピークオフピークを造り出すことになります。よって誰でも同じ作業内容で、同じ作業時間でできるようになれば、そのピークオフピークが均されることになり、品質も安定することになります。
その為には誰もが金太郎飴のように同じことができるようになるマニュアル化が最も有効です。
作り方が最もうまい人のやり方を標準とし、動画マニュアルを作ったり、作業の勘所を文章化したり、写真を撮って見本をマニュアルとするのが良いでしょう。
技術は盗むものでも時間をやみくもにかけて習得するものでもありません、確立した技術はとっとと展開することが働き方を変えることになります。
逆にマニュアルを作らずに働き方を変えないなら、一生忙しいままです。

社内SNSの活用

外向きのSNSだけでなく、社内SNSで情報共有をもっと円滑に使用
外向きのSNSだけでなく、社内SNSで情報共有をもっと円滑に使用

SNSといえばFacebookやTwitter、Instagramを思い浮かべがちですが、LINEなども立派なSNSツールです。
コロナ禍でテレワーク真っ盛り、社内SNSが大変脚光を浴びていますが、まだまだ大手企業でも30%前後の導入率なことから日本企業の硬直性はかなりの問題があります。農業もその硬直性やIT化レベルでは大きく遅れているものと思われますが、働き方を大きく変革するためにも社内SNSの導入を強くお勧めします。

社内SNSは農家内のコミュニケーションを活性化させやすくなります。
もともと圃場毎バラバラに一人で作業しがちで、休み時間や朝礼、夕礼に合う程度だったものが、スマホさえあればいつでもどこでも社員とコミュニケーションが取れるようになります。
例えば圃場で見たことのない虫を見つけたとか、葉の色だとかも写真を撮って情報共有することにより、適切な対処がすぐ可能になりますよね。
農家さんこそもともとバラバラにテレワークしていたということです。

そのようなことならLINEでも可能ですが、公私混同しない為にもビジネスチャットツールを新規に導入することをおススメします。
ビジネスチャットツールは今や雨後の筍の如くあり、Line works、Slack、Microsoft Teamsなどが有名ですが、私のおススメは純国産のchatworkです。
これらビジネスチャットツールの利点は、
・全員に発言機会が平等にある
・文字だけでなく、音声、写真や動画を共有できる
・発言に比べ文字は曖昧さがなくストレート
・時間、場所の制約なし
・メールのように煩わしくない
・添付し放題
またchatworkの優れている点として、
・タスク管理ができる(タスク作成、振り当て、進捗)
・共有ファイル管理(容量5GB無料!)
・ビデオチャットも可能(無料は1対1まで)
使ってみればchatworkの優位性がわかりますが、とにかく秀逸なのがタスク管理機能です。自分のもメンバーのも、誰がどのようなタスク=仕事をいつまで抱えているのかが一目瞭然です。

さぁ働き方改革の一環として社内SNS、ビジネスチャットツールのchatworkを導入してみませんか?(私はchatworkの回し者ではありません(笑)アフィリエイトもやってません)
いまやスマホを持っていない人はいないでしょうし、chatworkなら無料ライセンスで十分使い切ることが可能です。
(もちろん私も使っています!私の使い方の紹介はこちら)

まとめ/まずやるべき働き方改革

この後編では事業主のあなたが、働き方改革の第一歩として働きやすい職場をどのように作るかいくつかの例とともに説明しました。
前編では働き方改革とは何か、まずは経営者自らが時間を作って経営状況の収集の必要性を説明しました。
中編ではあなたがやらなければならない課題整理と理念や方針、目標の明示を説明しました。
働き方改革を進めるのに正しい順番はありませんが、改めて一から取り組みを始めるなら、今回ご紹介した前中後編の順番で取り組むのが比較的やりやすいと思います。

=前編=
働き方改革とは様々な理由で必要とされているが”何より農業をこれからもずっと続けていく”ために必要なことである
まずはあなた自身の時間を作って自らの経営状況にあった情報を収集し、やるべきことを整理し、できることから実践していきましょう

=中編=
経営状況にあった情報の収集とは、自分が間違ったものを造って売っていないかを調べることにほかならない
・収集した情報から経営課題を抽出し、”できる””できない”にかかわらず、解決すべき働き方改革に必要なアクションとして壁などに掲示する
あなたの農家の事業目的、経営理念、会社方針、目標も同時に掲示する

=後編(本投稿)=
働きやすい職場づくりとして、最低限の環境整備を整え、4Sと小集団改善活動でそれら環境を維持する
・頭の中だけに合った情報を全員で共有しデータ化するとともに、そのデータを振り返りより良い仕事に結びつける
作業の平準化マニュアル化
・社内SNSの活用

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