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安売りだけが売上げ向上の手段ではない/プロスペクト理論の応用

お客様に選んでいただくには
お客様に選んでいただくには

前回に引き続きプロスペクト理論について、ここでは応用して売上げにつなげる話をいくつかします。
あらためてプロスペクト理論とは、
・人は利益を目の前にすると、少しでも確実に利益を得たい=リスク回避
・人は危険そのものを回避できるならギャンブルでも厭わない=損失回避

という2点に絞られることでした。
この2点を巧みに取り込んだ販促戦略が世の中にはあふれているので、話を聞くときっと「なぁ~んだ」となると思いますが、それくらい当たり前のことなので、特に販売担当の方は意識して広告宣伝や接客に取り入れるべきことです。

損失回避バイアス

損失を回避するためには回り道も

プロスペクト理論は、
① リスク回避=利益を得られない危険を冒したくない
② 損失回避=利益を得るよりも、それ以上に損だけは被りたくない

ということで、このような人の行動は『損失回避性』『損失回避バイアス』と呼ばれています。
ちなみに「バイアス」とは統計学上の「偏り」のことで、わかりやすく言えば「偏見」です。
さて、人の本能には損失回避バイアスが埋め込まれているといわれ、どの国の人でも多くの方がある一方を選んでしまいます(まさに偏見(笑))。
以下①②それぞれAかBか、あなたならどちらを選びますか?

①A:エコノミーで行くハワイ旅行(50万円相当)が100%当選するくじ引き
①B:ファーストで行くハワイ旅行(100万円相当)が50%当選するくじ引き
②A:9万円を確実に100%失う貧乏くじ
②B:確率90%で10万円を失う貧乏くじ

普通の多くの人はプロスペクト理論により損失回避バイアスがかかっています
①=A → エコノミーでもハワイへ確実に行ける方がいいですね。
②=B → 100%損するくらいなら、10%の確率でも逃げのびたいですよね。
これがごく普通の人の判断なんですね。
これをマーケティングでは様々なキャンペーンや広告宣伝によりお客様へ訴求し、売上げの向上につなげることができるようになります。

得はしたいが損だけは絶対したくない

当たり!うれしいものです

プロスペクト理論をかなり乱暴に解釈すると、人は「得はしたいが損だけは絶対したくない」ともいえます。またその損得の比率も実験から価値関数として約2:1と比率が解き明かされています。
つまり損は得の倍も敏感だということです。
それが1万円もらった時の喜びと、同じ1万円でも落として失った時の感覚の差です。
誰しも得したことより損した方が記憶に残っているのもそのようなことでしょう。
つまり売り上げを向上させたいと思ったら、ストレートに得することだけを伝えるのでは「1」しか通じません「買わないと損しますよ」と伝え方を変えることで購入意欲が「2」と倍になる可能性が高いということです。

「買わないと損しますよ」の代表例
期間限定はデパート、スーパー、コンビニ、飲食店など、ありとあらゆるサービス業で実施されており、やってない方がないと言っても過言ではありません。
限定の種類としては、タイムセールや期末セールなどの時間や期間などで縛ったり、季節限定や数量限定などの固有性で縛ったりすることが一般的ですが、いずれも「買わないことのリスク」いまだったら利益を得られるのに、本当に買わなくていいの?と心が揺さぶられるように伝えることが重要です。
クーポン制度もどこででも当たり前にやっているものの一つですが、クーポンをもらうために余計な買い物をさせたり、そのクーポンに期限を設けることで「クーポンを使わねば損をする」と損失回避バイアスをうまく利用しています。
ポイント制度もクーポン制度とほぼ同様ですね。
無料キャンペーンも販促の王道でもあり、宝くじ同様に絶対胴元が儲かるに決まっているのに売れる施策です。
全額無料や一部無料など施策には幅がありますが、いずれにしろお客様に「自分が大当たりするかもしれない」と思わせることが大切です。
また結果全額無料になるのですが「気に入らなかったらお題はいただきません」のような全額返金サービスのようなものも多いですね。
全額無料で有名なのはかつてロッテリアが「美味しくなかったら返金します」というキャンペーンで大成功を収めたことです。
マックやモス、バーガーキングのような個性あふれるライバルと闘っていくうえで、返金も辞さないというキャンペーンは味の自信の現れとも消費者には取れました。
このように得する機会を逸するよう感じさせ、購入の敷居を低くする戦略は他にも「お試しキャンペーン」のように全額無料からBy one Get twoのように漏れくもう一つサービスなどがあります。

安売りだけが売上げ向上の手段ではない

お客様が買っているものは商品だけではない
お客様が買っているものは商品だけではない

プロスペクト理論をうまく活用して、お客様の心理を突いた販売戦略で市場や顧客を開拓していくと、売り上げをうまく上げることができるでしょう
ただその前にとても大切なことは、まず自分が扱っている商品、作っている製品についてストレートに自信をもって自慢ができることです。
商品・製品の良さを販売担当がわかっていなければ、ストレートに伝えられず「超お得」ということがお客様にわかっていただけませんし、今回お話しした「買わなければ損」という説明はストレートの2倍の効果が見込めますが、その説明が全くできなくなります

最も効果的なのは、メニューやポップ、チラシといった媒体においては商品の良さをストレートに表現して、来店して接客している時のトークスクリプト(接客台詞)では殺し文句のように「このままでは損しちゃいますょ」と説明できるとお客様はイチコロです。
(あまりお客様に殺し文句とかイチコロはないですよね、口が悪くごめんなさい)
ストレートな「超お得」というセリフに、「買わなきゃ損」というひねった媒体の組み合わせも同様な効果はありますが、紙や画面に残る逆説な表現は、場合によっては反感を招きかねないので注意や節度が必要です。
いい例がTVショッピングや通販サイトでよく売られている怪しげな健康食品です。

ロッテリアのバーガー全額返金キャンペーンのように、自慢の製品(商品)を作ることがまず大事ですが、売り手の積極的説明が伴ってこその広告宣伝です。
広告宣伝だけで売り上げを上げることは一時的にできても永続的には不可能です。
また安売りキャンペーン価格だけが売上げ向上の手段ではありません
最終的にはお客様はそこで購入している商品(製品)だけでなく「あなたから・このお店で・買う時間まで」のすべてを含んで選んでいるからです。
第一に良い商品(製品)を作ること、そしてそれを我が子のように自慢できることが大事ですが、それをしっかり伝えてご理解いただき、そこからお店作りとお客様づくりが始まり、それに終わりはありません
おこがましいのですが、そういうお客様を育てていくことも市場開拓、そのマーケットで商いをしてシェアNo,1を目指すのも醍醐味なんじゃないでしょうか。

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